解読した結果、要点だけを掻い摘んで記載する。
『302日目、長かった、ついにアーノルドに掛けられた呪いの正体が分かった。アレは水没した廃村に蔓延した呪いの効果と同じだ。殆どの住民はあれを未知の奇病だとか水神様の祟りだとか言って居るがそれは違う。あの村に起きた悲劇は厳密には悪意ある誰かに起因する意図的な陰謀に過ぎない。呪いの系統が見た事も無い宗教魔法に準ずる為、手出しするにはその宗教やその偶像対象について調べる必要があった。今回分かった事はそれの大まかな図解であり、呪いの掛け方だ。誰かに悪用されない為、此処まで厳重に暗号化したが、これを私以外が読んでいる時、その者の脳裏に悪用という選択肢が無い事を願う。』
『963日目、呪いの解き方は未だに分からないが一つの仮説を立ててみた。もしもアーノルドを殺す事が出来たなら、もしかしたら解放してやるくらいは出来るかも知れない。出来なかったとしても少しの間休ませてやれるかもしれない。私は今日を境にアーノルドをこの手で殺す方法と竜族に特攻性のある武器の研究を始めた。』
『2019日目、ついに完成した。対龍属性の短剣、ドラゴンソード。竜族以外には殆どガラクタ同然の効果しか持たないが、強力な竜族と対峙すると効果を発揮する。本来の効果を発揮したこのドラゴンソードは旧市街の赤鬼程度なら一撃で倒せるだろう。これでやっと、やっとアーノルドを眠らせる事が出来る』
『13570日目、いったい何度この手でアーノルドを殺し続けただろうか?私ももう長くは無いだろう。これからアーノルドに安らぎを与える役目は果たせなくなってしまう。いつか互いに寄り添って眠ろうと約束したはずなのに、運命はどうしてこうも私達を目の仇にするのだろうな。【arnold】、彼の名はアーノルドだ、これを読んでいる者の中に善良な心を持った者が居る事を願ってこの白の魔導書の内容を託す。ドラゴンソードを携えてクリスタルドラゴンの前でその真明を唱えるのだ。そうすれば、彼に束の間の安らぎを与えられる…』
魔導書はそれ以降何も書かれていない。
本棚の中に在る無数の本には必ず表紙に五芒星を基礎とした魔法陣が書き込まれていた。判定に成功した君はそれが一時的に魔力を増強させるものであると気付く。手持ちの魔本に同じ魔法陣を書き込むのであれば今から1時間の間、魔本の効果値が2倍に成るだろう。
金庫をこじ開けると中には大量の資金と錆びた剣がしまい込まれていた。
ドラゴンソード、資金200G入手。
※ただし2回目以降はドラゴンソードのみ。