ラッザノッテ

月の街
【歴史】
■繁殖する夜に由来する月の街。人間たちとの戦争によって集められた不死族や夜行族によって作られた元要塞であり、戦争が終わった今では一つの街として配下の住人たちをそのまま住まわせ、近隣の街と共存し、その異様な生態系や環境から独自の成長を遂げた都市である。
■戦争勃発直前に施された特殊な魔素によって直接的な日光を遮り、日中は夕方の様な空模様で夜間だけは他の街と同じ空が見える。

【地理】
■海を挟んで北西に「常夜の森」があり、東には機械細工に富んだ「モルティ ファッブロ」とその先には金属加工や刃物加工で有力な「オルコ ボルカーノ」が隣接しており、この大陸でも有数の文明的な立地となっている。
■また殆ど春夏秋冬が反映されず、夏場は最高気温15度、冬場は最低気温-30度ほどであり、基本的に寒さが目立つ環境となっている。以下が月毎の平均気温である。
1,2月 3,4月 5,6月 7,8月 9,10月 11,12月
-25℃ -15℃ 0℃ 10℃ -10℃ -20℃

【政治】
■戦前から今に至るまで、吸血鬼の一族「モンタギュー家」がこの街を統べており、その寿命の長さや知能の高さから良くも悪くも"長い目で見た"政策を行っていると言える。
■戦後のラッザノッテはその禍々しいイメージとは相反して他種族との共存を大きな課題として取り上げ、政治的にも率先して近隣の街の機械技術に協力し独自の魔法技術を掛け合わせ、日々人々の生活を豊かにすべく魔道機械などの開発に力を入れている。
■他種族との共存を更に現実的な物にする為、ラッザノッテ住民は吸血および食人などの非人道的な行為を指名手配対象として、街や住民たちの印象回復に臨んでいるが、未だその法を破る者が少なくないのが現状である。

【経済】
■主な特産物は魔法に関わる道具であり、その殆どがこの大陸全体に流通している為、住民達はかなり経済的に恵まれている。
■貧富の差も大きくはなく、ほぼ等しく裕福である場合が多いが勿論例外も有り、この街の特色と相反する貧困住民は他の町の貧困住民よりも良くも悪くも目だってしまうだろう。

【交通】
■ラッザノッテ内を住民が移動する際には飛行もしくは馬車が主流であり、近隣の街に行く場合にも馬車を使うこととなる。日の街「エレジーア メトロポリ」へと直通で移動できる手段が無い為、近隣の街を伝い、大きく回り道をしなければならない。それというのも、党首である吸血鬼一族は流れ水を嫌う習性があり、船による移動手段が普及しない事が原因である。

【科学】
■主な科学技術は他の街と比べてもそう違いは無く、唯一違う所を上げるとすれば、現代で謂う"電池"の役割を魔石が補っている為、街灯やシャンデリアが復旧している。これも他種族との共存を謳う上で、住民たち以外の旅行客でも滞在しやすくする工夫の一つだろう。
■また特筆すべきは近隣の街と協力して生み出された「魔道機械」の存在である。前述の通り魔石が電池の如く携帯できるエネルギー源となっている為、非常にコンパクトで高い携帯性と維持性に優れた機械が生み出されている。その具体例を現代に照らし合わせて挙げるならば、携帯電話や懐中電灯や更にはカメラなどに当たるだろう。

【国民】
■人口の半分以上がゾンビやゴーストなどの不死族であり、残りは蝙蝠モルフや狼モルフの夜行性の種族で満たされている。そのほとんどが吸血鬼の一族が住む古城の周りを囲むように住んでいる。

【名所】
■此処、ラッザノッテには街から王城へと続く石造りの橋が在る。そこには昔モンタギュー家の第二王子に惚れた人間の女性が王子から貰った月の魔石のペンダントを投げ込み「私が吸血鬼なら良かったのに」と願い、紆余曲折あり本当に吸血鬼になれてしまったという逸話があり、それを元に、橋から見える水面の月に月の魔石を投げ入れると願いが叶えてくれるというジンクスが生まれている。
2019/2/16